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クーパー靭帯は美しいバストをキープするために大切な組織ですが、知らないうちに切れてしまうことがあります。もしクーパー靭帯が切れたらバストはどうなるのでしょうか。また、切れてしまったクーパー靭帯を元に戻せるのかも気になりますよね。
クーパー靭帯はバストの内側にある組織のため、切れているかどうか確認することができません。実際にクーパー靭帯が切れていても、気づかずに過ごしている方が多いでしょう。
この記事では、クーパー靭帯が切れるとどうなるのか、また、切れているか判断する方法やクーパー靭帯が切れる原因について解説していきます。さらにクーパー靭帯が切れるのを防ぐ方法についてもご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
クーパー靭帯とは?
クーパー靭帯とはバストの内側にある靭帯で、乳腺や脂肪など乳房全体を支えている組織のことです。コラーゲン繊維で構成された硬い結合組織で、筋肉のように伸び縮みする機能がありません。乳腺と皮膚、大胸筋をつないでおり、バストのハリや丸みをキープする重要な役割を担っています。
クーパー靭帯が切れるとどうなる?
クーパー靭帯が切れるとバストの形に変化が生じます。それでは、どのような変化がバストに起こるのかみていきましょう。
バストが垂れる
クーパー靭帯が切れると、乳腺・皮膚・大胸筋を支える力が弱まり、バストを支えられなくなります。たとえるなら、ピンと張ったロープがたるむようなイメージです。その結果、バストが垂れ下がってしまいます。
バストが型崩れする
クーパー靭帯がバスト全体に隙間なく張りめぐらされていることで、乳腺組織や脂肪組織が脇に流れずに丸みのあるバストが保たれています。そのため、クーパー靭帯が切れるとバストの形が崩れやすくなります。また、バストが痩せてボリュームも失われてしまいます。
クーパー靭帯が切れたら痛みがある?
クーパー靭帯は切れても痛みがありません。目で見て確認できるものではないため、クーパー靭帯が切れていても気づかない人がほとんどです。自覚症状がなく、さらに状態を悪化させてしまう可能性も考えられます。
クーパー靭帯が切れたか判断する方法
クーパー靭帯が切れていないか判断するには、普段からバストの状態をチェックすることが大切です。以下の状態にあてはまっていたら、クーパー靭帯が切れている、もしくは伸びている可能性があります。ぜひチェックしてみてください。
- バストのトップ位置が下がった
- 乳房が下を向いている
- バストがたるんでいる
- バストのボリュームがダウンした
- バストに丸みがなくなった
- バストが離れている
- バージスラインが曖昧になっている
クーパー靭帯は1度切れたら戻らない
クーパー靭帯は、一度切れてしまったら修復することができません。現在の美容医療の技術をもってしても再生することは不可能です。
そのため、クーパー靭帯が切れないように日頃から気をつけることが大切です。できるだけクーパー靭帯に負荷がかからないような生活を心掛けましょう。
クーパー靭帯が切れる原因
ここからは、クーパー靭帯が切れるおもな原因について解説していきます。
加齢による衰え
クーパー靭帯はコラーゲン繊維でできています。加齢により女性ホルモンの分泌量が減ると、コラーゲンの生成量が減少してクーパー靭帯が弱くなり、少しの負荷でも影響を受けやすくなります。また加齢で新陳代謝のサイクルが滞り、コラーゲンの質が低下することもクーパー靭帯が切れやすくなる原因です。
大胸筋の筋力低下
バストの土台を支えている大胸筋の筋力が低下することも、クーパー靭帯が切れやすくなる原因のひとつです。乳腺組織や脂肪組織は大胸筋の上に乗っているため、大胸筋が衰えるとバスト全体を支えきれなくなります。その結果バストが下がり、3つの組織をつないでいるクーパー靭帯が切れたり伸びたりしてしまうのです。
悪い姿勢
悪い姿勢はクーパー靭帯に負担がかかりやすくなります。特に、猫背や巻き肩のような前傾姿勢は要注意です。
なぜなら、前傾姿勢になっていると大胸筋が縮んで硬くなってしまい、バストを支えられなくなるからです。クーパー靭帯のみで支えているような状態になり、クーパー靭帯が切れやすくなります。
バストの揺れ
バストの揺れはクーパー靭帯が切れる原因となります。クーパー靭帯は刺激に弱いため、揺れによる刺激には注意が必要です。ブラジャーを着用せずにノーブラで過ごしていると、日常のちょっとした動きでも刺激を受けやすくなるため、クーパー靭帯が切れるリスクが高くなります。
バストマッサージによる負担
自宅でのバストマッサージはバストアップに効果的な方法です。ただし、バストマッサージをする際に強い力で刺激を与えてしまうと、クーパー靭帯が切れる可能性があります。
バストマッサージにはいろいろなやり方がありますが、やさしくおこなうのが基本です。また、過度なマッサージもクーパー靭帯に負担がかかるため、やり過ぎにも注意しましょう。
サイズの合わないブラジャーの使用
ブラジャーのサイズが合っていないこともクーパー靭帯が切れる原因です。ブラジャーが大き過ぎるとバストが揺れやすくなり、ブラジャーが小さすぎるとバストを圧迫してしまいます。どちらにしてもバストをしっかり支えられないため、クーパー靭帯に負荷がかかってしまうのです。
妊娠や出産後の授乳
妊娠や出産後の授乳は、クーパー靭帯の伸びや切れの原因のひとつです。この時期の女性は、女性ホルモンが活発になることで1〜2カップほどバストが大きくなる傾向にあります。バストが大きくなると重量が増えてクーパー靭帯が切れやすくなります。
また、授乳中はバストが張った状態としぼんだ状態が繰り返されるため、クーパー靭帯に負担がかかってしまいます。特に搾乳の際に強い力が加わることもクーパー靭帯が切れる要因になります。
食生活の乱れ
食生活の乱れによりバストに必要な栄養素が届かなくなることで、クーパー靭帯が弱くなる可能性があります。なぜなら、栄養不足によってクーパー靭帯を作っているコラーゲンが合成できなくなるからです。クーパー靭帯が弱くなると、少しの刺激が加わっただけでも切れやすくなってしまいます。
クーパー靭帯が切れないようにするには?
クーパー靭帯が切れないようにするには、クーパー靭帯を強くすることと、負荷をかけないことが大切です。ここからは、クーパー靭帯が切れるのを防ぐ方法についてご紹介していきます。
大胸筋を鍛える
クーパー靭帯を守るには大胸筋を鍛えることが必要です。ここでは、大胸筋を鍛えるエクササイズを4つご紹介します。初心者でも自宅で簡単にできる方法ですので、ぜひ試してみてください。
合掌のポーズ
合掌のポーズは座った状態でもできるエクササイズです。自宅だけでなく仕事の休憩時間なども活用して毎日おこないましょう。以下は基本のやり方と応用編です。
【基本】
- 背筋を伸ばすように姿勢を正す
- 肘を真横に開き、両手を胸の前で合わせる
- 大胸筋に力を入れて、両手のひらを強く押し合う
- 息を止めないように15~20秒間押し合う
※1~4の動作を1セットとして1日10セット程度おこなう
【応用編】
- 背筋を伸ばすように姿勢を正す
- 胸の前で合わせた両手のひらを左脇に移動させる
- 2の状態を10秒間キープする
- 両手のひらを右脇に移動させる
- 4の状態を10秒間キープする
※1~5の動作を1セットとして1日5セット程度おこなう
タオルを使ったエクササイズ
タオル(手拭いでもOK)を用意しましょう。以下の手順でおこないます。
- タオルの端を両手で持ち腕を上げる ※タオルをピンと張った状態
- そのまま息を吸いながら腕を背中側へ移動させる
- 息を吐きながら腕を前に戻す
※1~5の動作を10回程度おこなう
腕立て伏せ
腕立て伏せは、大胸筋を鍛えられる代表的なエクササイズです。以下の手順でおこないます。
- 床に四つん這いになる
- 両手は肩幅よりも少し広い位置につけて腕を伸ばす
- 両ひざを閉じてつま先立ちになる ※背中・腰・足が一直線になるように
- そのまま両肘をゆっくり曲げて胸を床に近づける
- 両肘を伸ばして体を上に押し上げる
※4~5の動作を1セットとして1日10セット程度おこなう
つらいと感じる場合は、ひざを床についておこなってもOKです
ダンベルフライ
ダンベルフライは大胸筋の内側と外側を鍛えられるエクササイズです。ストレッチ効果もあるため、バストアップと同時に姿勢改善も期待できます。ダンベルがない場合は、ペットボトルを代用してもOKです。以下の手順でおこないましょう。
- フラットベンチ(平らな椅子やベンチでもOK)に仰向けになる
- 肩甲骨を寄せて胸を張る
- ダンベルを持ち両手を天井に向けて伸ばし、手のひらを向き合わせる
- 息を吸いながらゆっくりと両手を広げる ※肘は軽く曲げておく
- 肩の高さまでダンベルを下げる
- 息を吐きながら両手を元の位置に戻す
- 2~5の動作を10~20回繰り返す
※1日2~3セット程度おこなう
姿勢を改善する
次に、姿勢改善に効果的なストレッチを3つご紹介します。ストレッチは1日3セット程度おこなうとよいでしょう。
猫背改善ストレッチ
猫背改善には肩甲骨を動かすストレッチがおすすめです。以下の手順でおこないます。
- 姿勢を正して真っすぐに立つ
- 両腕を前に出す
- 肘を曲げながら左右の肩甲骨を中心に寄せるように両腕を曲げる
※2~3の動作を6回程度おこなう
腰の凝り改善ストレッチ
腰の凝りをほぐすことも姿勢改善につながります。以下の手順でおこないましょう。
- 足を肩幅の広さに開く
- 腰に手をあてる
- 腰を前後左右に数回動かし伸ばす
※凝り具合によって何回おこなってもOKです
首・肩こり改善ストレッチ
首や肩の凝りをほぐすことで、姿勢改善はもちろん、頭部の血液循環を促す効果も期待できます。以下の手順でおこないます。
- 右手を後頭部(首の後ろ)にあて、首を前に倒す
- 左手を前頭部(おでこ)にあて、首を後ろに倒す
- 右手を頭の上を通るようにして左側頭部(左耳あたり)を持つ
- そのまま首を右へ倒す
- 左手を頭の上を通るようにして右側頭部(左耳あたり)を持つ
- そのまま首を左へ倒す
- 3~6と同じ要領で首を右斜め前、左斜め前に倒す
※各1回程度おこなう
スポーツをするときは専用のブラを着ける
スポーツをするときは日常の動きよりも揺れが大きくなるため、専用のスポーツブラを着けるのがおすすめです。スポーツブラは激しい動きでもバストが揺れにくい作りになっています。日中のブラジャーよりもカップがフィットしていて、肩ひももズレにくいように設計されているのが特徴です。
スポーツブラには、サポート力の強さや機能性などによってさまざまなタイプがあります。スポーツの種類や使用する季節で使いわけるとよいでしょう。
就寝時はナイトブラを着用する
ナイトブラを着用することで、就寝時のバストの揺れからクーパー靭帯を守ることができます。寝ているときは、寝返りや重力によってバストが揺れたり流れたりします。そのため、ノーブラで寝ているとクーパー靭帯が伸びたり切れたりしやすくなります。
ナイトブラはホールド力がありながらも、心地よく着けられるように作られています。素材やデザイン・機能性など、自分に合ったものを選びましょう。
バストサイズに合ったブラジャーを着ける
クーパー靭帯が切れないようにするには、自分のバストサイズに合ったブラジャーを着けることも重要です。正しいブラジャーを着用することで、揺れによるクーパー靭帯への負荷を軽減させられます。またバストの大きさは変動しやすいため、定期的にサイズを測ることも必要です。
正しいバストサイズの測り方
以下の手順を参考に、正しいバストサイズを測りましょう。
- ブラジャーを着けない状態で背筋を伸ばして真っすぐ立つ
※キャミソールなど、薄いアンダーウェアを着ていてもOK - メジャーを背中側から回してバストトップにあてる
- メジャーをあてたまま前かがみになる(90度に)
- そのままメジャーで軽く押さえてトップサイズを測る
- 直立の状態でバスト下にメジャーをあてる
- メジャーが床と平行になるようにしてアンダーバストを測る
授乳時の負担を軽減する
授乳時の負担を軽減することも大切です。搾乳をおこなう場合、力が強すぎるとクーパー靭帯に負担がかかってしまいます。適切な力加減で搾乳をおこなうか、または圧を調節できる手動搾乳機などを使用して、乳房に負担をかけないようにしましょう。
クーパー靭帯に必要な栄養素を摂取する
クーパー靭帯に必要な栄養素を摂取することは、クーパー靭帯を強くすることにつながります。クーパー靭帯の主成分であるコラーゲンはタンパク質でできているため、タンパク質を多く含む食べ物を摂取しましょう。
【タンパク質を多く含む食べ物】
鶏ささみ肉・マグロ・サンマ・鮭・卵・ヨーグルト・牛乳など
クーパー靭帯を守るにはバストアップサロンでのケアもおすすめ
クーパー靭帯が切れるのを防ぐには、バストアップサロンでの施術もおすすめです。バストアップサロンでは、プロによるバストマッサージだけではなく、光豊胸やマイクロカレントなど専用の機器を用いた施術でバストアップを図ります。
これらの施術により、細胞の活性化や血行促進、女性ホルモンの分泌を促します。女性ホルモンの分泌量が増えるとコラーゲンも増産されるため、クーパー靭帯の強化が期待できます。
まとめ
クーパー靭帯はバストを支えるために必要不可欠な組織です。しかし、伸縮性がないため、負荷がかかると切れてしまいます。
また、一度切れたクーパー靭帯は元に戻すことができません。そのため、日頃からクーパー靭帯が切れないように気をつけることが大切です。クーパー靭帯が切れる原因に思いあたるという方は、今回ご紹介してきたクーパー靭帯が切れるのを防ぐ方法をぜひ試してみてください。
またクーパー靭帯を強化するには、エステサロンで施術を受けるのもおすすめです。クーパー靭帯を守って、美しいバストをキープしましょう。