バストの悩みのひとつに、徐々にバストが下がってきて垂れ乳になってしまうということがあります。普段は意識していなかったものの、鏡に映った垂れた胸を見てショックを受けた経験のある方もいることでしょう。
胸が垂れてしまうと老けた印象を与えてしまい、バストも小さく見えます。垂れた胸を元に戻すにはどうすればよいのでしょうか。
この記事では、バストが垂れてしまう原因と垂れた胸を元に戻す方法について解説していきます。バストの下垂でお悩みの方は、ぜひ最後までご覧ください。
垂れた胸とはどんな状態?
垂れた胸とは、バストの位置が下がった状態のことをいいます。バスト自体はそんなに下垂が気にならなくても、バストトップ(乳首)の位置が下がっていると、それも垂れた胸とみなされることがあります。
理想的なバストは、鎖骨の中央部分から左右のバストトップを線で結んだときに正三角形になる状態とされています。バストが垂れている場合はバストと鎖骨までの距離が長くなってしまうため、線で結んだときに二等辺三角形になってしまいます。
自分のバストが垂れた胸かどうかわからない場合は、鎖骨の中央からバストトップまでを線で結んでみましょう。鎖骨からバストトップまでの距離のほうが長く、結んだ線が二等辺三角形になってしまうようであれば、残念ながらバストが垂れているということになります。
垂れた胸になる原因とは
年齢を重ねると垂れ乳になりやすいものの、若い人でも垂れた胸になることがあります。どうして、胸が垂れてしまうのでしょうか?
垂れた胸になる原因をみていきましょう。
クーパー靭帯に伸びや損傷がある
垂れた胸になったときに疑われるのがクーパー靭帯の伸びや損傷です。クーパー靭帯とは、皮膚や乳腺、大胸筋とつながっている結合組織です。
コラーゲンを主成分としており、網状でバスト内部の隙間を埋めるように存在しています。バストは乳腺と脂肪でできていますが、クーパー靭帯が乳腺組織と脂肪組織を支えることで、バストは丸みのある形状をキープできているのです。
クーパー靭帯はコラーゲンでできているため、伸縮性はありません。そのため、激しい運動などによってバストが大きく揺れたり、強くマッサージされたりすると、伸びたり切れたりしてしまいます。そして、クーパー靭帯が伸びたり切れたりすると、バストを支えておくことができなくなり垂れた胸になってしまうのです。
一度伸びたり切れたりしたクーパー靭帯は、元に戻すことはできません。垂れた胸を予防するためには、クーパー靭帯にダメージを与えないように気をつけることが大切です。
大胸筋の衰え
バストの土台となってしっかりと支えているのが大胸筋です。大胸筋の筋力が低下すると、重みのあるバストをしっかりと支えておくことができなくなり、垂れた胸になりやすくなります。
大胸筋は日常生活のなかではあまり使わないため、意識して鍛えないと衰えやすい筋肉です。運動の習慣がない方や、仕事で重いものを持ったりすることのない方は、大胸筋が衰えている可能性があります。
皮膚のたるみ
バストを包み込んでいる皮膚がたるむことも垂れた胸の原因となります。皮膚のハリや弾力をキープしているのは、真皮にあるコラーゲンやエラスチンといった成分です。
しかし、紫外線の影響や加齢によって真皮のコラーゲンやエラスチンは減少します。そうすると、ハリを失った皮膚はたるみ、バストの重さで皮膚自体が伸びてしまいます。その結果、バストが下垂してしまい、バストの形状も崩れてしまうのです。
ノーブラで過ごす時間が多い
「ブラジャーの締めつけ感が苦手」「面倒くさい」などの理由で、家ではできるだけブラジャーをせずに過ごしている方もいるのではないでしょうか。
しかし、ノーブラで過ごす時間が多いと垂れた胸になる原因となります。
なぜなら、ブラジャーをしていないと必然的にバストは揺れやすくなるからです。また、バストの重みを大胸筋やクーパー靭帯のみで支えなくてはならず、クーパー靭帯への負荷が大きくなります。
その結果、クーパー靭帯がダメージを受けやすくなり、垂れ乳になる原因となってしまいます。
ブラジャーのサイズが合っていない
自分のバストサイズに合わないブラジャーをつけていると、バストをきちんと支えることができないため、垂れた胸になってしまうことがあります。
バストに対してブラジャーのサイズが小さいと、バストをきちんと支えることができずに押しつぶしてしまい、バストの組織にダメージを与えてしまいます。逆にバストサイズに対してブラジャーのサイズが大きいと、カップの中でバストが揺れてしまい、クーパー靭帯にダメージを与えやすくなるでしょう。
バストのサイズは体型の変化などによって変わるので、定期的にサイズを測り、バストサイズに合ったブラジャーを選ぶことが大切です。
姿勢が悪い
猫背などの悪い姿勢がクセになっていると、バストの土台となる大胸筋を十分に使うことができず、大胸筋の衰えにつながります。
また、悪い姿勢で長時間過ごすと、呼吸が浅くなりがちで血行も悪くなりやすいため、バストに必要な栄養が十分に届かなくなります。そのことが原因でバストのハリの低下につながり、垂れた胸になりやすくなります。
特にパソコンやスマホを使用することが多い方は、猫背になりやすいので注意しましょう。
垂れた胸を元に戻す方法
伸びたり、切れたりしてしまったクーパー靭帯は元に戻すことはできないものの、垂れ乳改善のためにできることはあります。
垂れた胸を元に戻すのに効果的な方法をご紹介しますので、できるものから実践してみましょう。
大胸筋を鍛えるエクササイズをおこなう
バストの土台となる大胸筋を鍛えると、重みのあるバストをしっかりと支えることができるようになり、垂れた胸を元に戻すことにつながります。また、大胸筋のエクササイズでバストの上部にハリを出せると、削げ胸が解消されて、バランス良く丸みを帯びたバストに近づけるのもメリットです。
それでは、簡単にできる大胸筋を鍛えるエクササイズをご紹介します。
手のひらを押し合うエクササイズ
隙間時間などを使って簡単にできるエクササイズです。立った状態でも、座ったままでもできるので、仕事や家事の合間などにやってみましょう。
- 背筋を伸ばして、両手を胸の前で合わせる(合唱のポーズ)
- 息を吐きながら、手のひら同士を押し合う(10秒間程度)
これを10回×3セットを目安におこないましょう。手のひらを押し合うときは、ひじを下げずに胸と同じ高さに上げておこなうようにしてください。
プッシュアップ(腕立て伏せ)
プッシュアップは、道具を使わずに大胸筋を鍛えることができるトレーニングです。狭いスペースでもできるので、自宅のリビングなどでおこなってみましょう。
- 四つん這いの姿勢になる
- 肩幅より少し広い位置に両手をつき、腕を伸ばしていく
- 頭から足まで一直線になるようにし、手とつま先だけで体を支える
- ゆっくりと地面に胸を近づける
- 今度は腕を伸ばして3の姿勢に戻す
- 3~5を10回程度繰り返す
10回×3セットを目標におこないましょう。手と足のつま先だけで体重を支えるのが難しい場合は、ひざをついてプッシュアップをおこなうと比較的楽にできます。
ダンベルフライ
腕を回すことで大胸筋全体を効率良く鍛えることができるエクササイズです。ダンベルを使いますが、ない場合は500mlのペットボトル(水を入れたもの)でも代用できます。
- フラットベンチ(ない場合はマットレスなど)に仰向けになる
- 両手にダンベルを持ち、天井に向けて手を伸ばす
- 両手をゆっくりと横に広げ、ダンベルが肩の高さまできたら、両手を2の位置に戻す
- 2~3を10回程度繰り返す
10回×3セットを目安におこないましょう。
バストマッサージを習慣にする
バストマッサージをすると、バスト周りの筋肉のコリがほぐれ、血行やリンパの流れを促進することができます。血行やリンパの流れが良くなることで垂れた胸に必要な栄養が届くようになり、バストを元に戻すのをサポートすることができます。
簡単にできるバストマッサージをご紹介しますので、体が温まったお風呂上りの習慣にしてみてはいかがでしょうか。
手のすべりを良くするために、クリームやオイルを塗ってからおこないましょう。
バストからワキのマッサージ
ワキに流れた脂肪をバストに戻すマッサージです。
- 右手を左側のワキに差し込み、しっかりと肉をつかむ
- 息を吐きつつ、胸のほうに向かってつかんだ肉を引き寄せる
- 5回程度繰り返す
- 今度は左手を右側のワキに差し込み、同様におこなう
強くつかむと痛いので、リンパを流すようなイメージでやさしくおこないましょう。
デコルテのマッサージ
デコルテのリンパの流れを良くするマッサージです。
- 右手でこぶしを作って、左のバスト上部に置く
- クルクルと円を描くようにマッサージしながら、内側から外側に向かってこぶしを動かす
- 今度は左手でこぶしを作り、右側も同様にマッサージする
バストをすくい上げるマッサージ
バストを下から上に向かってすくい上げるマッサージです。
- バストを包み込むように左のバストの下に両手を置く
- 左右の手で交互に、下からバストをすくい上げる
- 連続して交互に30回程度バストをすくい上げる
- 右のバストも同様に30回程度すくい上げる
お腹の上部の肉をバストに戻すイメージで、やさしくおこないましょう。
美容整形で豊胸術を受ける
セルフケアだと「続かない」「限界を感じる」という方は、美容整形での豊胸術を受けるのもひとつの方法です。
豊胸術をおこなえば、垂れた胸をすぐに元に戻すことができます。また、自分の理想とするバストの形にバストメイクすることも可能なので、予算や仕上がりなどを考慮して自分に合った施術を選ぶと良いでしょう。
垂れた胸を元に戻す豊胸術には、以下のようなものがあります。
ヒアルロン酸注入
豊胸術の中でも手軽にできるのがヒアルロン酸注入です。バストのボリュームが足りない部分にヒアルロン酸を注入し、形の良い丸いバストを形成できます。
メスを使わずに手軽に豊胸できるのが魅力で、施術時間も20~30分程度でダウンタイムもありません。また、ヒアルロン酸はもともと体内にある成分なので、アレルギー反応などのリスクが低いのも魅力です。
ただし、時間の経過とともにヒアルロン酸は体内で吸収されるので、効果持続期間は1年~2年程度と短いのがデメリットです。
脂肪注入による豊胸術
太ももやお腹などの不要な脂肪を採取し、バストに注入することでバストアップを可能にする施術です。自分の脂肪を採取してバストに注入するため、アレルギー反応のリスクもありません。また、垂れた胸を戻すだけではなく、部分痩せができることもこの施術のメリットです。
施術後、注入した脂肪がバストに定着すればバストアップ効果は半永久的に持続します。触ったときの異物感もなく、自然な仕上がりになるので豊胸がバレにくいこともメリットです。
デメリットは、注入した脂肪の定着率が低いと思うような効果が得られないことや、定着しなかった脂肪がしこりとして残ってしまうことがあるということです。
シリコンバッグ挿入
シリコンバッグ挿入による豊胸は、垂れた胸を元に戻すだけでなく、大幅なバストアップもかなえられます。挿入するシリコンバッグにはさまざまな形状、感触のものがあり、なりたい胸に形成しやすいことが大きなメリットといえます。
デメリットは、メスを使う施術なので施術時間が長めなこと、そしてダウンタイムも長く、痛みをともなうケースが多いということです。また、バッグの種類によっては10年くらいで交換が必要となります。
バストアップ専門サロンを利用する
出典画像:Rococo
垂れた胸は元に戻したいけれど、美容整形には抵抗があるという方も多いのではないでしょうか。そのような方はバストアップ専門サロンを利用してみましょう。
バストアップ専門サロンにはバストの下垂をはじめ、さまざまなバストの悩みを解消するメニューがあります。自分に合った施術を受けることで理想のバストに近づくことができます。
バストアップ専門サロン「Rococo」では、垂れた胸を戻すための「下垂バスト解消コース」をご用意しています。バストのコラーゲンを増やす最新美容機器を使った施術でクーパー靭帯を強化できれば、垂れた胸を元に位置に戻すことも可能です。
はじめての方は特別価格で施術を受けることができるので、お気軽にご相談ください。
垂れた胸(垂れ乳)の予防方法
垂れた胸を元に戻すには、バストが垂れないように日頃から気をつけることが大切です。ここでは、垂れ乳の予防方法をご紹介していきます。
正しい姿勢を意識する
猫背などの悪い姿勢は垂れた胸の原因になるので、正しい姿勢をキープしましょう。ほどよく胸を張って、背筋を伸ばすことを意識するだけでも違います。
特に、パソコンやスマホなどを触っているときは猫背になりやすいので気をつけましょう。
サイズの合ったブラジャーを着用する
自分のバストにぴったり合ったサイズのブラジャーを着用していると、バストの揺れなどを防げます。また、サイズが合ったものだと締めつけ感が軽減されるため、家でもノーブラで過ごすことを避けられるでしょう。
ブラジャーサイズは体型や年齢の変化にともなって変わるため、定期的に測りなおすことが大切です。垂れた胸にならないためも、定期的に測定して自分のバストサイズに合ったブラジャーを着用しましょう。
ブラジャーサイズの測り方については、以下の記事をご覧ください。
>>正しいブラジャーサイズの測り方とは?
保湿ケアをしっかりとおこなう
皮膚のたるみは垂れた胸の原因となります。バストの保湿ケアをしっかりとおこなって皮膚のたるみを防ぎましょう。お風呂上りのスキンケアにバストケアもプラスして、ローションや乳液をバストまで塗るのがおすすめです。
栄養バランスの良い食事を心がける
バストの土台となる大胸筋の発達にはタンパク質、クーパー靭帯の主成分であるコラーゲンの材料にはアミノ酸やビタミンCなどの栄養素が不可欠です。
垂れた胸になるのを防ぐためには、こうした栄養素をしっかりと摂るようにしましょう。栄養バランスの良い食事を心がけることで、栄養不足からくるバストの下垂を防ぐことができます。
睡眠時間を十分にとる
バストの発達や皮膚の新陳代謝に必要な成長ホルモンは、睡眠時に多く分泌されます。そのため、睡眠不足が続くと、バストがしぼんで垂れやすくなってしまいます。夜更かしが習慣になっている方は就寝時間を決めるなど、睡眠を十分にとれるように心がけましょう。
また、眠りが浅い、寝つきが悪いなどの悩みがある方には、睡眠の質を高めるために夕方以降はカフェインを摂らない、寝る前は照明を暗くするなどの対策をおすすめします。
睡眠時はナイトブラを着用する
睡眠中も寝返りをうつタイミングなどでバストが揺れがちです。クーパー靭帯にダメージを与えるのを防ぐためにナイトブラを着用しましょう。
マッサージはやさしくおこなう
バストを強く圧力を加えると、クーパー靭帯が伸びたり、切れたりする原因となります。バストマッサージの際は、クーパー靭帯を傷つけないようにやさしくケアするようにしましょう。
まとめ
今回の記事では、垂れた胸を元に戻す方法をご紹介しました。クーパー靭帯のダメージを元に戻すことは難しいものの、ハリのある上向きバストを目指すためにできることはあります。諦めずにバストケアを続けて、理想のバストを目指しましょう。