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エラスチンの効果とは?バストアップに関係あるのか

エラスチンの効果とは?バストアップに関係あるのか

バストアップに効果的な栄養素やサプリの成分を調べていると、コラーゲンやヒアルロン酸、イソフラボン、プラセンタなど、さまざまな名前を目にしますよね。そのなかでも、美しいバストを手に入れるために欠かせない「エラスチン」という成分をご存知でしょうか?

今回は、エラスチンの効果やバストアップとの関係について解説します。エラスチンが減少してしまう理由や増やす方法についてもお伝えしますので、バストアップを目指している方やバストの下垂が気になっている方は、ぜひ参考にしてみてください。

エラスチンとは

エラスチンとは

エラスチンとはタンパク質の一種で、体のさまざまな組織を形成している弾力性のある繊維です。例えば皮膚の場合、大きく分けて「表皮」「真皮」「皮下組織」の3つで構成されていますが、エラスチンは真皮に存在しています。真皮の約70%を占めているのがコラーゲン、そして約5%がエラスチンです。エラスチンがコラーゲンを束ねて、皮膚に強度と弾力性を与えているのです。

エラスチンに期待できる効果

エラスチンに期待できる効果

エラスチンにはどのような効果が期待できるのでしょうか。エラスチンの働きと、期待できる効果についてひとつずつ解説します。

肌のハリや弾力を保つ

エラスチンに期待されている効果のひとつが、肌にハリや弾力を与えることです。肌のハリや弾力に関わる成分といえばコラーゲンのイメージが強いものの、実はコラーゲンだけでは健康的な肌を保てません。

コラーゲンは膠原(こうげん)繊維と呼ばれ、伸びたり縮んだりせず引っ張りに強い繊維です。対してエラスチンは弾性繊維と呼ばれ、伸縮性があります。

強度のあるコラーゲンを、エラスチンが束ねて支えることで、肌にハリや弾力がうまれるのです。もちろん、エラスチンがあればコラーゲンがなくても良いということはなく、肌のハリや弾力を保つには両方が必要となります。

靭帯・子宮の収縮をサポートする

エラスチンは、全身のうち伸び縮みするあらゆる場所に含まれています。例えば皮膚や血管、靭帯(じんたい)、子宮などです。女性は生理の度に子宮が収縮しますが、これを助けているのもエラスチンです。

体内のエラスチンの量が減少すると、子宮の伸縮性が失われ、スムーズに収縮しなくなります。その結果、生理痛などのトラブルが生じやすくなるため、エラスチンは子宮の正常な収縮に欠かせないものといえるでしょう。

しなやかな血管を保つ

エラスチンには、血管をしなやかに保つ効果もあります。大量の血液を体内で循環させるには、血管の拡張と収縮がおこなわれる必要がありますが、それをサポートしているのがエラスチンです。

血管の異常により引き起こされる病気として、心筋梗塞や脳梗塞がありますが、これらの病気は年齢を重ねるにつれて発症リスクが増加します。その理由は、加齢とともにエラスチンの量が減少し、血管が徐々に伸縮性を失っていくからです。健康的な血管をキープするには、エラスチンの量が減少するのを抑える必要があります。

エラスチンにバストアップ効果はある?

エラスチンにバストアップ効果はある?

エラスチンには、肌にハリや弾力を与える効果があるので、「バストにもハリが出るのでは?」「バストアップ効果も期待できるのでは?」と感じている方もいるかもしれません。実際のところどうなのでしょうか。

バスト全体を支え重力に負けないよう持ち上げているのが、バストの内側にあるクーパー靭帯ですが、この組織にはエラスチンが含まれています。つまり、バストのハリや丸い形状をキープするにはエラスチンが欠かせないということです。

エラスチンが減少すると、バストのハリが失われ、下垂しやすくなります。エラスチン自体にバストを大きくする効果があるわけではありませんが、上向きのきれいなバストをキープするには欠かせないものといえるでしょう。

エラスチンが減少する理由

エラスチンが減少する理由

バストだけでなく全身に欠かせない成分であるエラスチンですが、さまざまな理由で減少してしまうことがわかっています。なぜエラスチンは減少してしまうのか、その理由をみていきましょう。

加齢

皮膚に存在するエラスチンは線維芽細胞で生成されるとされていますが、加齢によって線維芽細胞が衰えることで、体内でエラスチンを生成することが難しくなってしまいます。その結果、体内のエラスチン量が減少してしまうのです。

また、エラスチンは乳児期から青年期にかけて生成されるもので、その後はほとんどつくられないともいわれています。その場合、体内のエラスチン量が最も多いのは20代半ば頃とされており、それ以降は増えることはありません。

したがって、体内のエラスチンは減少する一方となります。年齢を重ねるにつれて、肌の弾力が失われ、シワやたるみがみられるようになりますが、それは加齢によってエラスチンの量が減少することが関係しているのです。

紫外線によるダメージ

紫外線にはUV-AとUV-Bがありますが、このうちUV-Aは真皮まで到達します。すると、真皮にあるエラスチンにダメージが加わり、減少につながるといわれています。

また、紫外線を浴びると皮膚の細胞内で活性酸素が大量に発生します。活性酸素が増えすぎると細胞が変質し、エラスチンが過剰に分解されてしまうことがわかっています。

偏った食生活

偏った食生活もエラスチンが減少する原因のひとつです。とくに食事を菓子パンなどですませたり、小腹が空いたらお菓子をつまんだりしてしまう人は、血液中に余分な糖分が残りやすく、「糖化」が生じてしまいます。

糖化とは、タンパク質や脂質が糖と結び付くことで起こる化学反応のことです。例えば、ホットケーキを焼くと表面がきつね色に変化しますが、この現象は卵や牛乳などのタンパク質と、砂糖が結び付くことで起きた糖化によるものです。

それと同様のことが体内でも起きており、血液中に余分な糖分があると、エラスチンなどのタンパク質が糖分と結び付いて糖化します。すると、エラスチンが変性したり劣化したりして、肌のハリや弾力が失われてしまうのです。

エラスチンを増やす方法とは

エラスチンを増やす方法とは

エラスチンから得られる効果を維持するには、エラスチンの減少を抑え、体内での生成量を増加させることが必要です。とはいえ、年齢を重ねるにつれてエラスチンの量は減少するものであり、体内での生成量を増加させるのも難しいのが現実といえるでしょう。

だからといって、何をやっても無駄ということはありません。減少してしまった分を補えば、体内のエラスチンの量を増やせる可能性はあります。エラスチンを増やすための方法をご紹介しますので、できることからやってみましょう。

食事で摂取する

エラスチンを多く含む食べ物を積極的に食べるようにしましょう。エラスチンは、弾力やコリコリとした食感のある食べ物に多く含まれています。

エラスチンが豊富に含まれている食べ物には、以下のようなものがあります。

  • 牛すじ
  • 軟骨
  • 手羽先
  • カツオの心臓
  • 魚の煮こごり

これらの食材を時々食べたからといって、エラスチンの生成量が増えることはあまり期待できません。できれば日々の食事に取り入れるように工夫してみましょう。

牛すじであれば、煮込み料理にしたり、カレーやおでんに入れたりできます。軟骨は唐揚げにすると、ビールのおつまみにピッタリです。

手羽先は、煮たり焼いたり揚げたり、いろんなアレンジが楽しめます。飽きないように工夫しながら、さまざまな食材から摂取するようおすすめします。

コラーゲンを摂取する

エラスチンを生成する線維芽細胞を活性化させるには、コラーゲンが良いといわれています。エラスチンを豊富に含む食べ物には、コラーゲンも多く含まれています。つまり、エラスチンを含む食材を意識して食べるようにすると、同時にコラーゲンも摂取できるということです。

また、コラーゲンの材料となるアミノ酸を摂取することでも、コラーゲンの生成を促せます。アミノ酸を多く含むのは、以下のような食材です。

  • 鶏むね肉
  • 豚肉
  • 大豆・大豆製品
  • 乳製品

コラーゲンの生成にはビタミンCも必要なので、こうした食材を摂取する際はビタミンCも一緒に摂取しましょう。

サプリメントを摂る

エラスチンを食事から摂るのが難しい場合、サプリメントを利用するのもひとつの手です。エラスチンは分子が大きく、水に溶けない性質があることから、食事から摂ってもあまり意味がないという声もあります。しかし、エラスチンをさらに小さな分子構造に分解したエラスチンペプチドであれば、体内での定着率が高くなるといわれています。

また、線維芽細胞の活性化を促すコラーゲンと、コラーゲンの生成に必要なビタミンCをサプリメントで摂取するのも良いでしょう。できれば食事から摂るのが理想ではありますが、不足する場合はサプリメントを利用するのもおすすめです。

再生医療を受ける

線維芽細胞を増殖させる肌再生医療を受け入れると、エラスチンやコラーゲンの生成を促す効果が期待できます。一般的な肌再生医療は、自身の皮膚や血液を採取し、線維芽細胞を増殖させたのちに、気になる部位に移植するものです。施術自体は麻酔をかけておこなわれるもので、痛みはほとんどなく、短時間で終わります。

移植された肌細胞は活動し続け、徐々にコラーゲンやエラスチンなどを生成するため、コラーゲンやエラスチンの減少によるシワやたるみなどの肌トラブルの改善が期待できます。即効性はないものの、少しずつ弾力やハリを取り戻し、若い頃の肌に近づけるのが肌再生医療の魅力です。費用はかかりますが、食事やサプリメントから摂取するよりも、確実にエラスチンを増やせる方法といえます。

エラスチンの減少を予防する方法

エラスチンの減少を予防する方法

減少してしまったエラスチンを増加させるのは簡単ではありません。そのため、できるだけ減少させないようにすることが大切です。エラスチンの減少を予防するのに効果的な方法をご紹介します。

紫外線対策をおこなう

紫外線を浴びると、エラスチンの減少につながります。そのため、エラスチンの減少を防ぐには紫外線対策が欠かせません。

外出時は、帽子や日傘、サングラスなどを活用し、できるだけ紫外線を浴びないようにしましょう。できれば、朝の早い時間や夕方などに用事を済ませるようにして、紫外線量が多い時間帯(10時~14時)の外出を控えるのがおすすめです。

紫外線は暑い季節だけでなく、1年を通じて降り注いでいます。また、曇りや雨の日でも降り注いでいるものなので、季節や天候を問わず日焼け止めを使用しましょう。

また、外出時は徹底して紫外線対策をおこなっていても、屋内では気を緩めている方もいるかもしれません。紫外線(UV-A)は窓ガラスを通過して屋内にも入ってくるため、屋内であっても紫外線対策は必要です。日焼け止めをしっかり塗るとともに、UVカットカーテンを使ったり、窓にUVカットフィルムを貼ったりしてなるべく紫外線を防ぐようにしましょう。

生活習慣を見直す

エラスチンの減少を抑えるには、糖化を防ぐことも大切です。過剰に糖分を摂取すると糖化が起きやすいため、甘い食べ物や飲み物の摂取を控えましょう。

また、できるだけ血糖値を急激に上げないような食事の仕方を意識するのもおすすめです。ご飯などの炭水化物を最初に食べると血糖値が上がりやすいので、まずは野菜やきのこなどを食べ、肉や魚を食べたのちにご飯を食べるようにしましょう。くわえて、肌の糖化を防ぐのに効果的といわれているビタミンCや鉄分などを意識して摂ることや、定期的に運動してブドウ糖を消費するのも血糖値の上昇抑制につながります。

良質な睡眠がとれている人は、体内にAGEsといわれる老化物質が溜まりにくいとされているので、睡眠にも気を配ってみましょう。睡眠時間をしっかりと確保することはもちろん、ぐっすりと眠れるように睡眠環境を整えるのがおすすめです。

まとめ

エラスチンは、肌のハリや弾力を保つ、靭帯や子宮の収縮をサポートする、しなやかな血管を保つといった役割をもっています。また、バストのハリや丸い形状をキープするうえでも欠かせません。

エラスチンは日常生活の中で徐々に減少していくものなので、できるだけ減少を抑えること、そして増加をサポートすることが大切です。エラスチンの量をキープできれば、若々しい肌やハリのあるバストを保つ助けになるでしょう。