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顔のプチ整形は有名ですが、バストもプチ豊胸できるのをご存じですか?ヒアルロン酸豊胸はプチ豊胸ともいわれ、シリコンバッグ豊胸や脂肪注入豊胸に比べるとダウンタイムが短い施術です。
しかしプチ豊胸とはいえ、リスクやデメリットはないのでしょうか?本記事では、ヒアルロン酸豊胸のメリットとデメリット、リスクが高い理由についてくわしく解説します。
ヒアルロン酸豊胸とはどのような施術?
ヒアルロン酸豊胸とは、ジェル状にしたヒアルロン酸を注射器で胸に注入して、サイズを大きくしたり形を整えたりする施術です。メスを使用する手術ではないため傷跡ができず、シリコンバッグや脂肪注入による豊胸と比べてダウンタイムも短めになります。ヒアルロン酸を注入する場所で仕上がりが変わり「谷間を作る」「しぼんだ胸にハリを出す」などお悩みに沿った胸の形を作れます。
ヒアルロン酸豊胸で得られるメリット
ヒアルロン酸を用いた豊胸術には、ダウンタイムや施術時間の短さ、自然なバストアップなどのメリットがあります。
ダウンタイムが短い
ヒアルロン酸豊胸は、メスを使用しないためダウンタイムが短めです。シリコンバッグを挿入した豊胸術は、4週間程度かかりますが、ヒアルロン酸豊胸であれば数日~2週間程度になります。仕事がなかなか休めない人や、手術に抵抗がある人にはメリットが大きいでしょう。
施術時間が短い
ヒアルロン酸豊胸の施術時間は30分程度と短めです。どのようなデザインにするのか、どのあたりにヒアルロン酸を注入するかを事前に決めたり、施術後に麻酔が覚めるまで休んだりする時間を含めても半日かからず終了できるでしょう。
自然なバストアップができる
ヒアルロン酸を注射器で注入するため、多くの量は入れられませんが、自然なバストアップが叶います。またヒアルロン酸を入れる量や場所を調整できるため、しぼんだ部分にハリを出すことや全体的にボリュームを出すことも可能です。豊胸したことが周りにバレたくない人や、サイズだけでなく形にもこだわりたい人に向いている施術といえるでしょう。
ヒアルロン酸豊胸のデメリット
ヒアルロン酸を用いた豊胸術のデメリットには、持続期間が短いことや大幅なバストアップには不向きなこと、維持には継続が必要なことが挙げられます。
持続期間が半年~3年と短め
ヒアルロン酸は注入後、徐々に体内に吸収されてしまうことから持続期間が1年程度、長くても3年ほどしか持ちません。早い場合は半年を過ぎると、効果が落ちてくる場合もあります。
大きくバストアップはできない
ヒアルロン酸豊胸で1カップアップするには、約100ccの注入が目安になります。1回の施術で注入できる最大量は片側100cc程度を推奨するクリニックが多く、大きなバストアップは望めません。2カップ以上バストアップしたい人には、ヒアルロン酸豊胸だと不向きになります。
維持するためには継続が必要
永久的な効果はなく、キープするには継続してヒアルロン酸を注入して豊胸をおこなう必要があります。注入するヒアルロン酸の種類や注入方法により持続期間は異なりますが、時間の経過とともに豊胸効果は低下していきます。バストサイズを維持するには、定期的にヒアルロン酸を注入しなければなりません。
価格と持続効果が見合わない
豊胸術に使われるヒアルロン酸の価格は、1ccあたり2,000~8,000円のクリニックが多いです。またヒアルロン酸の種類が複数あり、どれを選ぶかによって価格が異なるケースもあります。
1cc2,000円の場合でも、片側100cc入れると200,000円、両方入れると400,000円になります。1cc8,000円なら100ccを両方に入れると1,600,000円になる計算です。
これを1年ごとに繰り返すと考えると、価格と持続効果が見合わないと感じる人もいるでしょう。実際には1年後に元通りになるのではなく、6~7割戻っているとして、70ccずつ入れるとしても数十万はかかることが想定されます。長期間受け続けると、莫大なお金がかかるということです。
ヒアルロン酸豊胸によるリスク
ヒアルロン酸豊胸は、他の豊胸術よりも手軽なイメージがありますが、失敗しないとは限りません。プチ整形だからと深く考えずに施術を受けると、思わぬリスクを背負うこともあります。
しこりになる場合がある
通常、注入したヒアルロン酸は体内へ徐々に吸収されていきますが、1箇所にまとめて注入すると周囲にコラーゲンの皮膜が作られ、しこりになる場合があります。1箇所にまとめて注入すると持ちがいい利点がある反面、しこりになるリスクが上がります。ヒアルロン酸を分散して注入するほうがしこりになりにくいですが、吸収が早まり持ちは悪くなります。
ヒアルロン酸豊胸は、維持するためには繰り返しおこなう必要があり、回数を重ねればそれだけしこりのリスクも上がります。一度できたしこりは吸収されないため、手術での除去が必要になります。
乳がん検診を受けられない場合がある
「ヒアルロン酸豊胸をおこなっても、マンモグラフィーは受けられる」と説明する美容クリニックも多いですが、実際に受けること事態が問題ないとしても、検査を受け付けない病院は存在します。マンモグラフィー検査を申し込んでいても、いざ行ってみると「豊胸している人は受けられません」といわれる可能性があるため、事前確認が必要です。
また、乳がん検診でおこなうエコー検査では、ヒアルロン酸を入れた後にしこりができると正確な判定ができない可能性があります。そのため、美容クリニックにヒアルロン酸豊胸をしていても検査が受けられる病院を教えてもらうことをおすすめします。
感染症へのリスク
細菌の感染により、赤く腫れて痛みが出る場合があります。感染症が起こった場合は、抗生剤の内服や点滴治療をおこなったり、ヒアルロン酸溶解剤で溶かしたりします。感染症になる可能性は低いものの、起こりえるリスクとして頭にいれておきましょう。
血管閉塞による壊死
ヒアルロン酸が血管に入り込むと、血管閉塞を起こして周辺の細胞が壊死する可能性があります。血管が詰まると、栄養が送れず壊死に繋がる可能性がゼロではありせん。めったに起こりませんが、このようなリスクあることも知っておいてください。
アレルギー反応
ヒアルロン酸そのものではなく、ヒアルロン酸の薬剤に含まれる「添加物」のアレルギー反応が起こることがあります。アレルギーが起こると、赤く腫れてかゆみや痛みが出やすくなります。
ヒアルロン酸豊胸の失敗例
「ヒアルロン酸豊胸をしたけど失敗?」「ヒアルロン酸豊胸をして後悔した」というケースは実際にあります。ここでは、ヒアルロン酸豊胸で失敗や後悔したと感じる3つのケースを紹介します。
早く元に戻ってしまった
ヒアルロン酸を注入するとしこりになるリスクがあるため、クリニックによっては注入部位を分散して、それぞれに少しずつ注入する形で施術する場合があります。リスクは軽減されますが、早い人だと半年程度で豊胸効果が落ちてしまい「高いお金をかけたが半年しか持たなかった」という後悔につながることがあります。ヒアルロン酸豊胸はプチ整形といわれますが、価格はプチではないため「価格≠効果」ではないことを知っておきましょう。
乳房が硬くなった
豊胸に使われるヒアルロン酸の形状によって、仕上がりが硬くなる場合があります。スキンケアに使用されるヒアルロン酸は液状ですが、豊胸に使用されるヒアルロン酸は固形に近いジェル状です。また注入したヒアルロン酸が硬くなるには以下のような原因があります。
- ヒアルロン酸の組織化が起こる
- 注入したヒアルロン酸の水分が低下し、硬くなる
- ヒアルロン酸が皮膜で包まれ塊になる
形が悪い、左右差がある
形が悪くなったり左右差が生じるのは、カウンセリングの際に完成形のイメージを擦り合わせできていないことや、医師のミスなどが原因になります。医師に技術があるかどうかは、カウンセリングの時点ではわからないため避けにくいトラブルですが、カウンセリングで話が噛み合わないと思ったら施術を受けないことをおすすめします。
他の豊胸術の種類との比較
ヒアルロン酸豊胸を検討している人は、他の豊胸術も比較しながら効果とともにメリットやデメリットも把握しておきましょう。豊胸術には、ヒアルロン酸豊胸以外にもシリコンバッグ豊胸や脂肪注入豊胸があります。
シリコンバッグ豊胸
シリコンバッグ豊胸とは、乳腺や筋膜などの下にシリコンでできたバッグを挿入する豊胸術です。脇の下か乳房の下を切開し、スペースを作りシリコンバッグを挿入します。
ヒアルロン酸豊胸では1カップ程度のアップしか見込めませんが、シリコンバッグ豊胸であれば2カップ以上アップも可能です。よりバストを大きくしたい人や持続性のある豊胸をしたい人向けの施術です。
シリコンバッグ豊胸のメリット
シリコンバッグを使用した豊胸術には以下のメリットがあります。
- 2カップ以上大きくできる
- 丸い形のバストになれる
- 理想に近いバストになれる
- ほぼ半永久的に効果がある
シリコンバッグは、身体に吸収されるものではないため持続性があり、一度入れると半永久的な効果があります。
シリコンバッグ豊胸のデメリット
シリコンバッグを使用した豊胸術には以下のようなデメリットがあります。
- 人工物のためアレルギー反応が起こる場合がある
- テニスボールのようなカプセル拘縮が起こる可能性がある
- ダウンタイムが長く痛みが強い
- 経年劣化による破損による炎症や合併症
シリコンバッグは半永久的といっても、定期的に検査をして破損していないか確認することが推奨されています。ダウンタイムが長く、痛みや内出血、むくみなどが続くため、人によっては1週間動けない場合もあります。
脂肪注入豊胸
脂肪注入豊胸は、自分の身体の脂肪を採取して、胸に注入する豊胸術です。自分の脂肪を注入するため定着しやすく、半永久的な効果が見込めます。
脂肪注入豊胸のメリット
脂肪注入豊胸には以下のようなメリットがあります。
- 自然な触り心地で違和感がない
- 自身から採取した脂肪のため経年劣化の心配がない
- 1~2カップアップできる
- 部分痩せも同時に叶う
自分の脂肪を採取するため、お腹や太もも、お尻などの脂肪を取り除けます。落としたいところの脂肪を取り、胸を大きくすることからスタイルアップできます。
脂肪注入豊胸のデメリット
脂肪注入豊胸のデメリットについても見ていきましょう。
- 脂肪吸引をおこなう必要がある
- 脂肪注入のため一度に多くはいれられない
- 価格が高め
脂肪吸引は脂肪を取り除けるメリットはあるものの、ダウンタイムが長く1週間ほど圧迫固定が必要な場合があります。豊胸はしたいけれど、脂肪吸引をしたくない人にはデメリットになるでしょう。また、シリコンバッグ豊胸に比べると価格が高めになります。
3種類の豊胸術の価格と効果の違い
3種類の豊胸術、ヒアルロン酸注入、シリコンバッグ挿入、脂肪注入の効果と価格の一覧表です。
ヒアルロン酸 | シリコンバッグ | 脂肪注入 | |
---|---|---|---|
サイズアップ | ~1カップ | ~2カップ以上 | 1~2カップ |
持続性 | 半年~3年 | 半永久的 | 長い |
目安価格 | 20~100万 | 50~130万 | 30~150万 |
ダウンタイム | 数日~2週間 | ~1か月 | 1~4週間 |
価格に変動があるのは、自由診療であることや使用する素材や施術方法により異なるためです。注入するヒアルロン酸やシ挿入するシリコンバッグには、いくつかの種類があります。脂肪注入は、採取した脂肪をそのまま注入する方法と、不純物を取り除き脂肪だけを注入する方法があり、どちらを選ぶかにより価格は異なります。
1つのクリニックでヒアルロン酸の種類がいくつかある場合は、価格が上がるほどリスクが低く、高い効果が見込める可能性があります。しかし、どの方法を選んでもリスクやデメリットは避けられないため、安易に選択するのはおすすめしません。
まとめ
「ヒアルロン酸豊胸は手軽でおすすめ」といわれていますが、リスクが高い施術になります。施術そのものはダウンタイムも短く、豊胸手術の中ではハードルが低いといえます。しかし、効果は早くて半年、長くても3年程度しか持続しません。時間の経過とともに吸収されて元に戻るため、一時的な効果しかないのを理解しましょう。
またバストサイズを維持するには、定期的にヒアルロン酸を注入する必要があり、回数に比例してしこりができるリスクも上がります。永続的にヒアルロン酸注入を繰り返す費用を考えると、他の方法のほうが良い場合もあるでしょう。
施術は手軽でも、繰り返しヒアルロン酸を注入することで、さまざまなリスクが考えられます。そのため以前はヒアルロン酸豊胸をおこなっていたが、現在は取り扱っていないというクリニックが増えています。
よく調べずにクリニックに行き、先々のリスクを理解しないまま「手軽だから」と当日に施術を受けるのはおすすめしません。カウンセリングを受けたら一度持ち帰り、メリットとデメリットを正確に知った上で施術を受けましょう。